宮城小旅行雑奇 1日目-3
デュークエイシス & 芹洋子(せりようこ)
愛唱歌でつづる昭和のうたコンサート
この人達はだれ?
それがチケットを見た時の思いだ。
石巻市民会館の大ホール、その席はほぼ埋まっている。4~500人は入っているだろうか。
右も左も初老以上のおじさん、おばさんだらけ。
目の前はステージである。
そう、僕とRは最前列、中央の席を陣取っていた。
なぜこのコンサートを聴きに来たかというと、Rの親戚からこのチケットを貰ったからだ。
その親戚もまた別の誰かに貰ったらしい。
地方ではこの手のチケットは色んなところを巡るらしい。
曲が終わる度に、左隣のおばちゃんは大喜びで拍手している。
このおばちゃん、僕が開演前にうとうとしていた時に飴をくれた。
右にR、そのまた右のおばちゃんはその時Rと世間話に華を咲かせていた。
石巻のおばちゃんは良く喋る。
いや、これは女性全般に言える事か…。
僕はというと、演奏中も疲労と頭痛で眠くて仕方が無かった。
感想10:ここがベッドだったら良いのに…。
つまらないから眠いのでは無いですよ!
と必死にデュークエイシスと芹洋子さんに弁解したかった。
最前列で居眠りされれば、それはそれは気になるだろう。
デュークエイシスとは、男性4人のコーラスのグループだ。
メンバーのうち、一人くらいは僕の2倍以上歳を重ねているのではないか、というくらいのベテラン達だ。
芹洋子さんは、童謡で有名な歌手。
普段は別々に活動する事が多いのではないだろうか。
現代は男性4人コーラスというのはあまりお目にかかれないが、上手い。特にリードヴォーカル。
芹洋子さんにいたっては、すんごく上手い。
伴奏はフルートとピアノのみ。
感想11:フルートはやはり、こういう綺麗で若い(?)女の子に限る
のだが、1セット目は知らない歌ばかり。
戦後に流行った歌謡曲を、時代を追って順に歌って行くのだ。
1時間あまりで、知っている曲は「りんごの歌」の1曲のみ。
僕とRには場違いのようなコンサートだった。
しかし、2セット目は、童謡も交えて歌い始めた為、僕達でも楽しむ事ができるようになった。
感想12:童謡はすごく上手い人が歌うと心に染みる
この頃からは眠気も少し遠のいてくれた。
途中デュークエイシスが引っ込み、芹さんのソロで数曲歌う。
彼女がステージを降りて、歌いながら客席を周り始めた。
皆握手を求める。
巡り巡って来て、なんと最後に握手をしたのは僕であった。
その時、芹さんの動きが止まった。
下を向いて微動だにしない。
一体どうしたのだろう…、と心配になったくらいだ。間奏中だったからだろうか…。
少しして、握手に伸ばしていた手を戻し、ステージに帰って行った。
次は芹さんが引っ込み、デュークが歌う。
曲名は忘れてしまったが、かえるの歌に衝撃を受けた。
みんなかえるの真似をして動き回る、とても愉快な曲なのだ。
そのエンターテインメントの徹する姿はまさしくプロの姿である。
なによりも、みんなMCが上手い。
このコンサートは、最初からエンターテインメントに徹しているのだが、それでお客さんの心を完全に掴んでいる。やはり、他人の為に音楽をやるのがプロなんだなあ、と再認識。
これをアートと呼べるのかどうかは判らないが、学ぶべき所は沢山ある。
少なくとも4~500人のお客さんが集まるわけだから。
コンサートも佳境に入り、「見上げてごらん、夜の星を」で締めくくる。
アンコールでは会場全体で「青い山脈」を熱唱。
バックスクリーンに大きく歌詞が出ていたので、僕でも一緒に歌える。
会場大盛り上がりの中コンサート終了。
そしてRの自宅に向かう。
夕飯はどうするんだ?と聞くと、
「うちのカミさんが用意しているから。純一郎よ、嫁にもらうなら料理ができる女が良いぞ!」
感想13:嫁自慢か
Rの自宅で刺身等をご馳走になる。この刺身など、知り合いから貰ったものらしい。
ここら辺では、色んな人から食料を貰えるらしいので、食費は意外にかからないらしい。
その分みんな所得は低いわけだが…。
家も平屋の借家なのだが、衝撃の低価格!2LDKでこの値段はありえん。
この夫婦は猫を1匹飼っている。
とても可愛い猫だが、交通事故の後遺症で下半身が動かない。オムツを常にしている。
この猫、名前は忘れたが、非常に人見知りである。
そのクセ、人が食事をしているとそれを目当てに寄ってくる。
「鯖の味噌煮ならあげても良いよ。」
と言われ、細かく切ってあげる。必死に喰らい付く様は可愛らしい。
「しかし、こんなに味の濃いものをあげて大丈夫なのか?」
この質問には二人とも無言。
どうやらそんな事は考えた事が無かったらしい。この猫の行く末が心配だ。
食後、近所の湧き水を頂く。
とても美味しい。何故か後引く味で、何杯でも飲んでしまう。
「クロエラという微生物が入っていて、健康にも良いんだ。美味しいべ?」
水だけでこんなに美味しいとは何事だろう。
しかし、この水でお茶やコーヒーを作ったりするのには向かないらしい。
味が消えてしまうんだとか。
だがこの水があればお茶もコーヒーも要らない。
「ネット借りて良いか?」
「家にはネットは無いんだ。」
…。
感想14:僕の世代で、今時ネットが使えない家は珍しい。とは言え、僕も未だに携帯の写真をパソコンに取り込むやり方も判らない。デジカメも未だに無い。お互いに時代錯誤だ…
明日はRは仕事の為、一人で旅行をする事になっていた。
Rの家のネットで色々調べれば良いか、という甘い計画はもろくも崩れ去った。
さて、明日はどうしたものか。
取りあえず風呂を借りて寝る事にしよう。
結局寝る時まで頭痛は引かなかったが、明日にはキレイに治っている事だろう。
明日は明日の風が吹く。思いつくままに旅をしよう。
そう、ジャズのアドリブソロのように。
宮城小旅行雑奇1日目終了。
愛唱歌でつづる昭和のうたコンサート
この人達はだれ?
それがチケットを見た時の思いだ。
石巻市民会館の大ホール、その席はほぼ埋まっている。4~500人は入っているだろうか。
右も左も初老以上のおじさん、おばさんだらけ。
目の前はステージである。
そう、僕とRは最前列、中央の席を陣取っていた。
なぜこのコンサートを聴きに来たかというと、Rの親戚からこのチケットを貰ったからだ。
その親戚もまた別の誰かに貰ったらしい。
地方ではこの手のチケットは色んなところを巡るらしい。
曲が終わる度に、左隣のおばちゃんは大喜びで拍手している。
このおばちゃん、僕が開演前にうとうとしていた時に飴をくれた。
右にR、そのまた右のおばちゃんはその時Rと世間話に華を咲かせていた。
石巻のおばちゃんは良く喋る。
いや、これは女性全般に言える事か…。
僕はというと、演奏中も疲労と頭痛で眠くて仕方が無かった。
感想10:ここがベッドだったら良いのに…。
つまらないから眠いのでは無いですよ!
と必死にデュークエイシスと芹洋子さんに弁解したかった。
最前列で居眠りされれば、それはそれは気になるだろう。
デュークエイシスとは、男性4人のコーラスのグループだ。
メンバーのうち、一人くらいは僕の2倍以上歳を重ねているのではないか、というくらいのベテラン達だ。
芹洋子さんは、童謡で有名な歌手。
普段は別々に活動する事が多いのではないだろうか。
現代は男性4人コーラスというのはあまりお目にかかれないが、上手い。特にリードヴォーカル。
芹洋子さんにいたっては、すんごく上手い。
伴奏はフルートとピアノのみ。
感想11:フルートはやはり、こういう綺麗で若い(?)女の子に限る
のだが、1セット目は知らない歌ばかり。
戦後に流行った歌謡曲を、時代を追って順に歌って行くのだ。
1時間あまりで、知っている曲は「りんごの歌」の1曲のみ。
僕とRには場違いのようなコンサートだった。
しかし、2セット目は、童謡も交えて歌い始めた為、僕達でも楽しむ事ができるようになった。
感想12:童謡はすごく上手い人が歌うと心に染みる
この頃からは眠気も少し遠のいてくれた。
途中デュークエイシスが引っ込み、芹さんのソロで数曲歌う。
彼女がステージを降りて、歌いながら客席を周り始めた。
皆握手を求める。
巡り巡って来て、なんと最後に握手をしたのは僕であった。
その時、芹さんの動きが止まった。
下を向いて微動だにしない。
一体どうしたのだろう…、と心配になったくらいだ。間奏中だったからだろうか…。
少しして、握手に伸ばしていた手を戻し、ステージに帰って行った。
次は芹さんが引っ込み、デュークが歌う。
曲名は忘れてしまったが、かえるの歌に衝撃を受けた。
みんなかえるの真似をして動き回る、とても愉快な曲なのだ。
そのエンターテインメントの徹する姿はまさしくプロの姿である。
なによりも、みんなMCが上手い。
このコンサートは、最初からエンターテインメントに徹しているのだが、それでお客さんの心を完全に掴んでいる。やはり、他人の為に音楽をやるのがプロなんだなあ、と再認識。
これをアートと呼べるのかどうかは判らないが、学ぶべき所は沢山ある。
少なくとも4~500人のお客さんが集まるわけだから。
コンサートも佳境に入り、「見上げてごらん、夜の星を」で締めくくる。
アンコールでは会場全体で「青い山脈」を熱唱。
バックスクリーンに大きく歌詞が出ていたので、僕でも一緒に歌える。
会場大盛り上がりの中コンサート終了。
そしてRの自宅に向かう。
夕飯はどうするんだ?と聞くと、
「うちのカミさんが用意しているから。純一郎よ、嫁にもらうなら料理ができる女が良いぞ!」
感想13:嫁自慢か
Rの自宅で刺身等をご馳走になる。この刺身など、知り合いから貰ったものらしい。
ここら辺では、色んな人から食料を貰えるらしいので、食費は意外にかからないらしい。
その分みんな所得は低いわけだが…。
家も平屋の借家なのだが、衝撃の低価格!2LDKでこの値段はありえん。
この夫婦は猫を1匹飼っている。
とても可愛い猫だが、交通事故の後遺症で下半身が動かない。オムツを常にしている。
この猫、名前は忘れたが、非常に人見知りである。
そのクセ、人が食事をしているとそれを目当てに寄ってくる。
「鯖の味噌煮ならあげても良いよ。」
と言われ、細かく切ってあげる。必死に喰らい付く様は可愛らしい。
「しかし、こんなに味の濃いものをあげて大丈夫なのか?」
この質問には二人とも無言。
どうやらそんな事は考えた事が無かったらしい。この猫の行く末が心配だ。
食後、近所の湧き水を頂く。
とても美味しい。何故か後引く味で、何杯でも飲んでしまう。
「クロエラという微生物が入っていて、健康にも良いんだ。美味しいべ?」
水だけでこんなに美味しいとは何事だろう。
しかし、この水でお茶やコーヒーを作ったりするのには向かないらしい。
味が消えてしまうんだとか。
だがこの水があればお茶もコーヒーも要らない。
「ネット借りて良いか?」
「家にはネットは無いんだ。」
…。
感想14:僕の世代で、今時ネットが使えない家は珍しい。とは言え、僕も未だに携帯の写真をパソコンに取り込むやり方も判らない。デジカメも未だに無い。お互いに時代錯誤だ…
明日はRは仕事の為、一人で旅行をする事になっていた。
Rの家のネットで色々調べれば良いか、という甘い計画はもろくも崩れ去った。
さて、明日はどうしたものか。
取りあえず風呂を借りて寝る事にしよう。
結局寝る時まで頭痛は引かなかったが、明日にはキレイに治っている事だろう。
明日は明日の風が吹く。思いつくままに旅をしよう。
そう、ジャズのアドリブソロのように。
宮城小旅行雑奇1日目終了。
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