2008年9月22日月曜日

宮城小旅行雑奇 1日目-2

潮の香りが心地よかった。

僕とRは防波堤に腰を下ろし、穏やかな石巻の海を眺めた。
お互いの右手に麦色の飲み物を持ちながら。

「ここの場所は、俺の友達がバイクで事故って逝ってしまったところなんだ。すぐそこでも最近女子高生が車に轢かれてな。」


感想6:縁起の悪いところに連れて来ないで下さい


しかし、その友達の霊を慰めに来たのか、良く解釈すれば。
「次はあそこに行くべ!石巻の人も滅多に行かないところだ。」
指差す先は、ここから見える灯台。
その手前には、波間に細長く石の路が伸びている。

サイクリングなんて久しぶりなので、風を切る感じが清々しい。
しかし折りたたみ式のタイヤの小さな自転車を借りたので、登り坂がすこぶる辛い。


着いた灯台付近から海を挟んで、魚の加工工場が見える。
石巻では雨が降る前に風向きが変わるらしい。そうなるとこの工場の匂いが街に届き、必ず雨が降る。
今はこちらに向かって風が吹いているわけでは無いが、それでも強烈な匂いだ。

なんだか、全く観光地では無いところばかり周るつもりらしい。
もう少しそういうところも周ろう、と言ってみたら、
「俺の人生はアンダーグラウンドだから!」


感想7:人生も案内場所も、もう少し正統派に近づいても良いんじゃないか


しかしここの地理は全くわからない為、Rに任せるしかない。
やがてここら辺りで一番大きな橋に辿り着く。
形が橋の中央にかけて弧を描いて膨らんでいる為、この自転車ではかなりガッツが必要だ。

「ここから飛び降りる人も結構居るんだよな!」


感想8:だから、縁起の悪いところに連れて来ないで下さい!


底抜けに明るい奴なんだが、どうしてこういうところばかり…。
10年くらいの付き合いになるが、つくづく不思議な奴だ。

その後数回、麦色の飲み物や米からできた飲み物で体力、気力を回復させつつ、 ようやく観光地らしいところにやって来た。

石ノ森漫画館。

駅にフィギュアを置くくらい、市全体で観光の目玉としようとしているらしい。
実際にアニメ、漫画ファンはここを目当てに遠いところからやって来るらしい。
しかし我々、いやRにとってはサイクリングの1通過点。
無料で入れる1階のエリアのみを探索。

受付の女の子、売店の子はみんな何かしらのコスプレをしている。
ゲゲゲの鬼太郎シリーズのオープニング、エンディングソングを流しているモニターを発見。
僕の世代が慣れ親しんだのは第3シリーズである事が判明。
今はなんと第5シリーズをやっているらしい。

この第5シリーズ、猫娘が可愛くなり過ぎている!
猫娘は可愛くないからこそ猫娘なのであって、これでは鬼太郎観が崩れてしまう。
大体、これじゃあ夢子ちゃんの存在価値が無いじゃないか!
などと怒ってみても仕方が無い。


感想9:僕達の知っている鬼太郎はもう居なくなってしまった。何事も移ろい行く世の中なんだなあ


その後再び石巻商店街に戻ってくる。
そしてこの街唯一の楽器店を訪ねる。
昔はオモチャ専門店だったらしく、今も店の敷地の半分はそれで埋め尽くされている。
店の外に大きな和太鼓がいきなり飾ってある。東京ではなかなか無い配置だ。
当然中のサックスが気になる。
ヤマハの一番安いモデルが2本並んでいる。
カウンターにはヴァンドレンのリードが顔を覗かせる。

「リードはこれしか無いんですか?」
とおばちゃんに話しかけてしまったのが運のつき、長々と世間話の相手をさせられる。
しかしやはり地方のヴァンドレン(青箱)の信仰は根強い。
中高生の吹奏楽ではこれしか買わないですからね。
おばちゃんがお喋りに満足した頃、日もそろそろ傾いて来た。
「じゃああそこに行くべか!」

これで石巻の観光は終わる事になる。
これから本日のメインイベント?の会場へ足を運ぶ。
多少の頭痛を抱えながらも、この時点で夜のイベントに心を躍らせていたわけでは無い。
しかしこれも何かの縁だ。
頭痛は気合で抑えるとして、本日の珍道中、気持ちよく締めくくって来る事にしよう。

続く。

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