宮城小旅行雑奇 1日目-1

朝日が眩しかった。

うっすら目を開ける。

車窓から見渡せるのは一面の田園風景だった。


仙台発の仙石線に乗って30分余り。
前日の強雨が嘘のように晴れ渡っている。

そして目を覚ました原因は朝日だけでは無かった。
子供達のはしゃぐ声。
それをいさめる老人。

あまり睡眠時間を取れずに出発し、移動中はほとんど眠っていたが、
眠り足りないものの、とても和む目覚めだった。

子供は元気だ。エネルギーに満ち溢れている。
子供と老人という組み合わせが、たまらなく懐かしいような、平和な思いをいだかせる。
子供達はとんぼをつかんで大はしゃぎ。


感想1:電車の中にとんぼがいるなんて不思議だ


というのはさて置き、子供がいる風景はとても良いなあ、と思っているうちに目的地の石巻駅に到着。
最初に駅で出迎えてくれたのは、サイボーグ009と仮面ライダーの等身大のフィギュア。
そして009のコスプレをした人1名。


感想2:ここは第2のアキバか


そして友人R。
久しぶりに会った彼はパンフレットを両手で体の中央に持ち、こちらを凝視している。その瞳の下の方ではヒゲが無造作に伸びまくっている。服装はまるでバックパッカー。


感想3:お前はいつから悟りを開いたんだ


そして彼の妻、Yちゃんも同行してくれていた。
「今日は連れまわすからな!まずは日和山公園だ!」
てっきり車だと思っていたら、2人とも自転車を引いている。
ということは、徒歩で向かうのだね。荷物持ちで。

駅周辺の商店街を歩く。
人通りは少ないのだが、あちこちでRの知り合いと会う。
「俺はこの商店街で生まれたから。昔は賑わっていたんだけどね。」
と言うように、弱冠シャッター商店街化している。
そして日和山へ。
山と言っても、坂を上って行くうちに頂上に着いてしまう、丘より少し高いくらいの山。

「この頂上に伝説のラーメン屋があるんだよ。」
伝説?すんごく美味いのか?
「俺らのすんごい小さい時からあって、地元の人もほとんど食べに行かないんだけど、潰れないで残っているんだよね。でも美味いよ。」
「私一回も行った事な~い。」
Yちゃんまで…。
そういう意味で伝説なのか…。でもせっかくだからそこで食さねば。


たどり着くと、なんともみすぼらしい店が。
しかも店の外には、祭りでもないのにお面が置いてある。
更に、きっと10年以上置き続けているであろうボードゲーム等、数々のオモチャが。


感想4:確かに伝説だ


ここで食事をする人はまずいないだろう、と思って店内に入ると、意外に盛況。
「ラーメン、おにぎりセット下さい。」
「ええ~と、おにぎりあったかな。おにぎりある~?ありゃ~、すみませんね、おにぎり切らしちゃってて…。」


感想5:おばあちゃん、その商売気の無さが伝説を築き上げたんだね


仕方なくラーメンだけを注文。やたらに時間がかかる…。
しかし、味は確かに美味しい。かなりさっぱりした醤油ラーメン。
R曰く、
「こっちの方ではとんこつラーメンは全く流行らないんだよね。醤油ラーメンでも、油も少なくてさっぱりしたのしか石巻の人は受け付けね~んだ。」
やたらと丁寧なおばあちゃん。
お礼を何度も言われ、公園へ。


こんな事を言ったら失礼だが、取り立てて書く程の事も無い普通の公園。
しかし、公園でも途中の住宅街でも、音というものがほとんどしない。
閑静な住宅街、と都心では売りにしているところもあるが、ここまで無音なところはまず無いだろう。
車さえほとんど通らない。歩いている人も見つからない。
ここには本当に人が住んでいるんだろうか?と疑ってしまう。


暑さと坂道の疲れもあり、ここで奥さんのYちゃんは自宅に戻る事に。
そして自転車を借り、Rとサイクリングの旅に出る事に。
それは珍道中の始まりに過ぎなかった…。

続く。

コメント

匿名 さんのコメント…
お帰りなさい!
楽しい旅行だったみたいですね♪
ぜひ最後まで書いてくださいね。
続き、楽しみにしてます(´∀`)ノ
ジュニー さんの投稿…
ゆうさんへ

とても楽しい旅行でした。
旅行記を書くことにしたのは良いものの、あまりに長くなりそうなので始めたのを後悔していたところです。

でも頑張って書きます!

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